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オキシトシンの分泌、「月」を想う

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天王星ウラコ: こんにちは。目に見える星のラジオのお時間です。ジュピとウラコでお届けします。

木星ジュピ: 今回もリスナーからお便りが届いております。 「ウラコさん、ジュピさん、こんにちは。 久しぶりに興味深かった書物のご紹介お願いします。」

ウラコ: 興味深かった書物ですか、、最近ですと、脳科学者で有名な中野信子さんの「不倫」(文春新書)ですね。中野さんの本は数冊読みましたが、今回のトピックもなかなか味わい深い内容だと思いました。特に印象に残った文章の一部を引用します。

 

“13世紀に神聖ローマ皇帝として君臨したフリードリヒ2世は「言葉を教わらずに育った子どもは、どんな言葉を話すのか?」というテーマで実験をしました。語学に堪能で6か国語に精通していたフリードリヒ2世には「人間は生まれたときから自分の言葉をもっている」という考えがあり、しかもそれは「神の言葉」であるヘブライ語だと予想していました。
その予想を確かめるために、彼は部下に50人の赤子を集めさせ、隔離して育てることにします。ミルクを与え、排出処理をするなど、栄養や衛生状態に関するケアは世話係が担当しました。ただし、世話係には「赤ん坊の目を見てはいけない」「笑いかけてはいけない」「話しかけてはいけない」「一切のふれあいを禁ずる」と命じたのです。
しかし予想に反し、子どもたちは自発的に言葉を話し始めることはありませんでした。さらに、半数は2年以内になくなったといいます。たとえ栄養が十分であっても、スキンシップや情緒的なやりとりがないと、十分にオキシトシンが分泌されないため、子どもの免疫系に致命的な影響が生じ、病気にかかりやすくなってしまうと考えられています。
フリードリヒ2世の実験は、1930年代後半にアイオワ大学の心理学者ハロルド・スキールズが孤児院で育った子どもの言語発達を研究したことで、さらに裏付けることになりました。
当時のアメリカの孤児院は倉庫のような場所で、親はもちろん、他の大人からも十分な愛情を注がれるような場所ではありませんでした。孤児院育ちの子どもたちは「自分は不要な存在である」と感じていました。さらに施設にいる期間が長ければ長いほど、子どもたちの言語性IQが下がっていくことを、スキルーズは発見したのです。”
「不倫」中野信子/著より

 

ウラコ: 脳科学者ということもあり、いくつか科学的に実験されたことを引用しながら分かりやすく説明されているので読んでて勉強になります。

ジュピ: そうですね、引用された部分の内容も読んだところ、一冊の本を書くために図書館など貴重な資料がある場所でリサーチされている光景が浮かびます。

 

 


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